2025/11/15 15:09

「どんな物語を歩みたいか主体的に描く」と、人生が確実に動く

はじめまして。「ものがたり手帳」発起人の梅本龍夫です。

私はかつて、スタンフォード大学ビジネススクールを修了後、スターバックスの日本での立ち上げプロジェクトに総責任者として携わりました。その経験を活かして2015年からは立教大学大学院社会デザイン科で特任教授を務め、現在も客員教授として自身のビジネス経験に基づく研究や教育に従事したり、経営コンサルティングや企業研修など複数の活動を行っています。

そんなビジネス畑の私が、なぜ今回「ものがたり手帳」の企画に至ったのか。

それは自身の経験の中で、出来事を「物語」として捉えることの重要性に気がついたから。そして、物語という枠組みが、ビジネスや企業の組織変革、さらにはひとりひとりのライフストーリーのデザインにとっても大切であると考えるようになったからです。


人生は良いときばかりではありません。世の中から見れば順調そうに見えるときでさえ、心の中に悩みや苦しみをかかえていることは、よくあることです。

私自身、スターバックスを立ち上げたことは、今では良い思い出ですが、実は燃え尽きて会社を辞めることになった、あまり思い出したくない仕事だったのです。

ところがあるご縁で、スターバックスに携わった自分の物語を、新鮮な視点で捉え直すことができました。『日本スターバックス物語』(早川書房)という本を書くことで、自分の個人的な思い出だけに閉じこもらず、当時一緒に仕事をした人々をたくさん登場させる「物語」として書き直したことがきっかけでした。

「書く」ことで当時の状況を可視化し、それを客観的に見つめ直し、「内省する」 。
そのことで、驚くほどの変化が生まれたのです 。

私たちは誰しも、事実をそのまま受け取るのではなく、自分の心に合った物語として組み直し、受け入れている。

そのことに気がつくと、「変えがたい、乗り越えがたい過去の出来事も、その受け止め方、解釈はいくらでも再編集できる」自由を手に入れられました。

そして過去を再編集できると、未来も変わります 。 

「予測困難な人生の中で、自分がどんな物語を歩みたいかを主体的に描く」ことで、実際に人生が大きく変わる!と思うようになりました。


そんな想いから、私はこれまで講座やワークショップを通して、物語という考え方を使って人々のライフストーリーのデザインのお手伝いをしてきました。

そして、「事実としてどういう人生を生きてきたか」よりも、「それをどう解釈するか」のほうがはるかに重要であること――自分自身で物語を再編集することが、今の自分の価値観の変化に繋がっていくのだという確信を得ました。

ワークの中で実際にたくさんの方が、心残りになっていた過去の出来事を前向きに捉え直すことや、見失っていた「自分がやりたいこと」を再発見出来ていたのです。

だからこそ、もっと多くの方に物語の考え方を知っていただきたい。そして、より多くの方が日々自分らしい物語を過ごせるようにお手伝いしたい。

そのために日常的に使いやすい手帳という形で、皆さんのライフストーリーのデザインをサポートする「ものがたり手帳」を企画しました。


物語の再編集が、今を変える。物語を描くことが、未来を変える。

同じ出来事でも、「自分にとって意味のあるもの」として捉えるかそうでないかで、人生の見方も変わります。

例えば、ワークショップの中で参加者の方々に自身のライフレコードを書いていただくと、多くの方が 「自分の中の固定観念に気づいた」「ずっと心に引っかかっていた出来事を、はじめて前向きに受け止めることが出来た」 などの発見を得られていました。

もちろん、過去に起こった出来事は変えられません。そのためワークショップの参加者の中には、物語を再編集するという考え方に違和感を持たれる方もいらっしゃいました。

ですが、「書く」ことで可視化し、それを客観的に見つめ直すことで、驚くほどの変化が生まれることがあるのです。

 ・ 「失敗だった」と思っていた出来事の中に、自分の価値観を支えるヒントが見つかる

 ・ 「やらなければならない」と思い込んでいたものを、実は手放してもよいと気づく

そんな気づきこそが、次の物語を描くための大きな原動力になります。

そのような気づきを無理なく生み出すための、たくさんの工夫を詰め込んだ手帳が「ものがたり手帳」です。

ただ予定を書き留めるだけではなく、日々の積み重ねの中から「自分の物語」を自分の心に合ったかたちへ再編集する。そして新しい物語を描いていく。

そんな体験を、一人でも多くの方に届けたいと思っています。


「ものがたり手帳」を届けたい理由

人生は、「いくつもの物語」の重なり。


私たちは日々、複数の物語の中で生きています。

例えば、会社員として会社と共に成長していく物語。あるいは、親として子どもを守り育てていくという物語。特別意識していなくても、私たちは日々いろんな役割を持ちながら、それぞれの物語に参加しているのです。

様々な物語は、私たちの人生を豊かにし、可能性を広げてくれるものです。

しかし、目まぐるしく進み続ける現代社会の中で、気づかぬうちに「やらなければならないこと」に追われ、自分が何を求めていたのかを見失ってしまっていませんか?

とりわけ仕事や家事・育児、介護など、多くの役割を抱えている人ほど、「すべての役割を果たさなければならない」と感じて心の余裕を失ってしまうことを、私はこれまでの経験を通して痛感してきました。

「ものがたり手帳」はそんなあなたに寄り添い、あなたを取り巻く物語を一緒に編集していくための手帳です。

あなたを取り巻く物語は、最初から決まった筋書きがあるわけではありません。私たちは本来、現実を自分に合った物語として受け取ることができる。

しかし、慌ただしい日々の中で、物語の勢いに飲み込まれ、「自分が今歩んでいる物語にちゃんと満足できているか?」「自分は本当はどんな物語を歩みたいのか?」が分からなくなってしまうこともあります。


だからこそ少し立ち止まって、自分を取り巻く状況と向き合ってみることが大切です。


しかし、実際にさまざまな役割をこなさなければいけない中で、ひとり立ち止まって自分自身と向き合うことは中々難しいもの。

そこで、手帳という日常的に使うツールの中にさまざまなワークを盛り込み、楽しみながらあなた自身の物語と向き合うきっかけを届けたいと考えました。

物語は私たちが普段思っているより、ずっとずっと豊かで多様で可能性に満ちています。「ものがたり手帳」は、記憶や認知の理論に基づいてデザインされており、気づかなった新しい物語を引き出してくれます。

この手帳がいつも手元にあり、ふとしたきっかけでページを開き、少し書き込む。そのことで、あなたの人生が動き出します。最初はほんの少し。でも確実に前に。

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